「さてと、じゃーまず、何から話そうか?」
「・・・・・・」 圭介は絶句していた。無理も無い、朝っぱらからとても人とは思えない二体の化け物に襲われ、一体に助けられ、人目のつかない所に連れてかれ、そいつが鎧を脱ぐと、正体は圭介がよく知っている人物だった。
「まだ夢の中にいるのかな・・・・・・いてっ!」 圭介は自分の頬をつねった、すると反対側の頬を濃紺の甲殻男の正体がニヤニヤ笑いながら強めにつねった。
「現実だよー」 先程とは打って変わって明るい声だった。
濃紺の甲殻男の正体は唯だった。甲殻男ではなく、甲殻女だった。
「あなたは誰ですか?」 圭介はまだこれが現実であるとは認めていなかった。
「私がわからない?ショックだー、弟に存在を忘れられるなんてー」
「そうじゃなくて!さっきの甲殻みたいな鎧は?黒いヤツは一体何者?」 圭介は怒鳴った、唯の鎧はもう無い、先程、抱えていた圭介を下ろすと、青い光の粒になって消えてしまった。そこから唯が現れたのだ。
「あれは青卯石から作った鎧、黒いヤツは緑午石から作った剣を持った礼羽家の人間だよー」 唯はサラリと言ってのけた。
「・・・・・・」
「ふふふ、解らないよね、じゃあ、一から教えていくからね、光剛石十二家の事を」 唯は楽しそうだった。
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