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黒い稲妻とキャッスルロックの庭園

3人の管理人による、自作小説ブログ。   ○Tarkus…月・金を担当  ○黒い稲妻…火・日を担当  ○イット…水・土を担当
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天使の形而上学-1.目覚めの朝-

 私立ヨアヒム学園の教義は特殊で、いわゆる一般教科については全く教えていない。教義の理念、天使の種類と役割と階級、古代語の学習と古典文書の読解、エーテルの詳細と使役法、天上界の構造と機能、前世・現世・来世のサイクル……。そういったものがヨアヒム学園の教えである。
 生徒は古代語を勉強し、古文書を読み解き理念を得る、それから世界の仕組み、現在自分たちの住む世界が天上界の一部に過ぎないと学ぶ。そしてそれを成り立たせている物質・エーテルの作用を勉強してその技術を実践する。
 エーテルはこの世界において、経済、政治、科学、環境、思想、歴史、全てを統制する。


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天使の形而上学-1.目覚めの朝-

 信城月姫(しんじょうつきひめ)は私立ヨアヒム学園の高校生だった。「彼」は名前だけなら、女子を連想させるくらいで、表情も幼げで中性的で、周囲からもよく女性らしいと呼ばれていた。
 月姫にはとりわけ信仰はなかったが、幼いころから占星術や神話を絵本でよく読み、それからというもの神話やオカルトの書物を嗜むことが趣味になった。つまり、形而上的なものへの関心は依然としてあったのだ。月姫の家庭はいたって穏やかで、家族間でのもめごともない暮らしだった。ただ、幼いころ父を亡くしており、月姫は母子家庭で育った。そのせいなのか、月姫には母方の性格の影響が濃かった。
 月姫の趣味は就寝中に見た夢を日記へと記録することだった。それは不思議と物語をともなっており、彼が教養としてかじったグノーシス、カバラ、新プラトン主義の影響が濃く見られる世界観だった。


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