「星笠学園って、兄さんと姉さんが通っていた学園だよね?」
「そうよ、ちなみにこの学校は十二家の一つで『光』を司る白御風家が代々経営しているの」 唯はパンフレットのページをめくり、学園長の写真を見せた。禿頭のくたびれた中年がニヤついている写真だった。
「このハゲ頭から『光』の光線を出すのかなぁ?」
「失礼なことを言うんじゃないの」 注意しつつも唯の頭の中には禿頭から光線を出す学園長のイメージが写されていた。
「そもそも十二家は石を研究する学者の家系で、戦闘に使うために原石を所有しているわけではないの」
「政府はこのことを知っているの?」
「一部の人だけね、戦前は石の力で欧米諸国に対抗しようとしたらしいけど、実験の際、兵士達が石を使っていても全然力が発揮されなかったの、それで、十二家の学者達は信用をなくして研究を中断させられてしまったの」
「ふーん」
「しかし、この石には未知の力が在ると確信していた十二家は、協力して研究施設を建てたの、しかし、ただの研究所だと政府が許さなかったので、表向きは高等学校ってことにしたの、そこに子孫達を入学させて研究を手伝わせたの」
「じゃ、十二家は仲いいんじゃないの?」 圭介は礼羽家の人間の事を思い出した。
「その後、ちょっと事件が起こって・・・・・・」 唯は先程とは打って変わって真剣な表情でその後の歴史を語り始めた。
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