「こ、金剛石?じゅうにけ?」
「金剛石はダイヤモンドでしょ?光剛石だよ」 唯はポケットから先程見かけたのと同じような青い石を取り出した。
「これが全部で四種類ある光剛石の一つ、青卯石だよ」
「あとの四つは?」 圭介は青卯石をしげしげと見ながら尋ねた。
「緑午石、黒子石、赤酉石だよ」 唯は得意げに話した。
「この石と鎧はどんな関係が?」
「四つの石にはそれぞれ特殊な力が備わっているの、青卯石は人間の皮膚を硬質化させる『鎧』の力、緑午石には空気中の水分を原始的な武器、あ、剣とか槍とかのことね。に変える『剣』の力、黒子石はその石そのものがエネルギーとなり、使用者が出す「音」に乗せて光線のように打ち出す『光』の力、赤酉石は・・・・・・私はよく知らないのだけど、動物の爪や羽に力を与える『獣』という力が備わっているらしいの」
「・・・・・・姉さん、酔ってる?」
「むー、まだ私の話は終わってないぞ、そんでもってその四つの石の巨大な原石を所有しているのが光剛石十二家なの、ウチもその中の一つ」
「この石が鎧になる・・・・・・」 圭介はほとんど聞いてなかった。
「あ、言っとくけど、鎧の形は私の趣味じゃないよ?使う人間によって形は決まっているの、自分で着ていて嫌になるのよねー、すっごい醜悪だもん、最初着たときは鏡見て吐きそうになったよ」 圭介の反応など気にもせずに唯は自分の意見を述べた。
「この間、俺の前に現れたのも・・・・・・」
「ワタシ」
「なんで殴り飛ばすのさ、俺、あのあとしばらく気を失っていたんだよ?」
「何言ってんの!無抵抗の人に暴力をふるって!悪い弟にはお仕置きしなきゃ!」
「喧嘩を売ってきたのは向こうだよ?」
「理由になりません!」
「うぐ・・・・・・」 圭介は言葉に詰まった。
「ま、それはさて置き」
「さて置くんかい」
「本題に入ろうか」 唯は冊子を取り出した。
「それは・・・・・・?」
それは高校のパンフレットだった、表紙には金色で『星笠学園』と書かれていた。
無題
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