「まさか彼がポーカーだったなんて・・・。どうしてわかったの?」
警察関係の人が撤収し始めた頃、彼女が信じられないといった表情でそう言ったので、俺は言ってやったんだ。
「彼はポーカーなんかじゃないよ?彼はただの殺人鬼だ。・・・そんな事、君が一番わかっているんじゃないのかい?」
彼女は一瞬、目を見開き、動きが止まった。しかしすぐに照れくさそうにボリボリと頭をかき始めると、「バレちまった?」と苦笑いをしたのだった。
今回の事件の概要はこうだ。
大泥棒"ポーカー”からの予告状。
神出鬼没で、大胆不敵。一度狙った獲物は絶対に逃さない。今、全国で最も警察が業を煮やしている彼の今回の狙いは、ここ、財堂財閥の当主こと"財堂重盛”の大豪邸に先日エジプトから渡って来た『クフ王の仮面』。
財堂は金にものを言わせて厳重な警備を敷き、更に全国から優秀な刑事を寄せ集めたのだが、全てが意味を成さなかった。
『クフ王の仮面』が置いてあった部屋が何者かによって爆破され、その場にいた財堂重盛を含めた5人の命が失われた。その時点では、仮面が盗まれたのか、それとも爆発によって粉々になってしまったのかは、ハッキリとしなかった。
そこへ登場したのが、この俺。この大豪邸の付近をウロウロしていた所で外で警備していた人に捕らえられたのだ。俺は無実を証明したが、中々信用してもらえなかった。
でもまぁ、無理もない。だって、この大豪邸は海の真ん中に浮かぶ小さな島に聳え立っているのですから。俺みたいな一般人がいる事自体が不自然すぎるのだ。
しかし、そのお陰で豪邸内へと進入する事には成功した。
事件現場では、ここに呼び寄せられていた刑事が連れて来た高校生探偵が色々探っていた。――が、彼が事件を解決するまで待ってるなんて事は俺には出来ない。
その後その流れで――説明するのが面倒くさいので――俺は事件を解決した。
『クフ王の仮面』書き始めました。
お疲れ様
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